ほうとうのうんちく

ほうとう

その1
幅の広い麺を、生のまま味噌で煮込んだ山梨独特の郷土料理が「ほうとう」です。山国甲州には水田が少なく、お米は貴重な食べ物でした。その代わりによく食されたのが「ほうとう」なのです。


その2
中国から、禅宗と共に渡ってきた「ハクタク」(ハクは食へんに専と書く、タクは飩)。事物異名録によると、唐の時代、お汁の中に入れた麺を「不托」と呼び、後に「はんたく」と呼ばれるようになったとのことです。


その3
一般のうどんと違い、「ほうとう」は茹でた湯を捨てず、そのまま煮込んで食べる料理なので、無添加・無塩と体にも良い食べ物です。


その4
枕草子に「はうちはうとう」という言葉が出てきます。これは甲州でいう「かぼちゃほうとう」のことで「麺に伸ばして方に切りたるものの名なり」。つまり、幅広く切ったうどんのことを言います。


その5
武田信玄が甲州に出入りした高僧から調理法を教えられ、軍の健康維持に気を配り多くの野菜を入れ普及に努めたのが「甲州ほうとう」の由来だと言われています。

その6
戦陣食でもあったのです。